2020.06.15疾患について
生理痛で病院を受診したら、どんな検査をするの?
2020.06.15疾患について
女性医療クリニックLUNA心斎橋 院長の二宮典子です。
本日は生理痛についてのお話。
最近、生理痛がつらくて受診する女子もずいぶん多くなりましたが、
それでもまだ生理痛があるのは普通だから病院にいかなくていいと思っている女子もいます。
『生理痛がひどいときは、病気のこともあるので、おかしいと思うときはぜひ病院を受診してくださいね』
と言われてはいるものの、やっぱり病院は‥、という女子も多いはず。
今回は生理痛の痛みのポイントと病院にいったときにする検査についてお話しします。自分の痛みがどの程度か知りたいという人や、何をするかわからないから不安で病院に行けない人はぜひ参考にしてみてください。
月経困難症
生理痛がひどい状態を医学的には月経困難症げっけいこんなんしょうと呼びます。
生理痛の痛みは、人それぞれなので、自分で我慢してしまいがち。でも実はそのひどさもスコア化、数値化されていて、重症かどうかを判定できます。
生理痛のスコアは2つのポイントで評価します。
月経痛スコア
生理痛のスコアを月経痛スコアと呼びますが、ポイントは以下の2つです。
- ・生活にどの程度支障がでるか
- ・痛み止めの薬を必要とするか
です。
支障が出る程度
- 0:なし
- 1:軽度:仕事(学業・家事)に若干の支障がある
- 2:中等度:横になって休憩したくなるほど仕事(学業・家事)への支障をきたす
- 3:重度:1日以上寝込み、仕事(学業・家事)ができない
痛み止めの薬の使用
- 0:なし
- 1:軽度:直前(あるいは現在)の生理の期間中に痛み止めの薬を1日使用した
- 2:中等度:直前(あるいは現在)の生理の期間中に痛み止めの薬を2日使用した
- 3:重度:直前(あるいは現在)の生理の期間中に痛み止めの薬を3日以上使用した
点数の評価
点数が高いほど重症になります。
スコア化することで、毎回の月経の時の調子を数値化して評価することができます。薬を始める時、始めた後の評価にも使用されます。
機能性月経困難症と器質性月経困難症
スコアで痛みの評価は行うことができますが、もうひとつ大切なことは病気の内容についてです。痛みはとても主観的(患者さん自身の訴え)です。病気として、形をなしてなにか異常がないかを調べることも重要です。
そこで、機能性と器質性という2つの月経困難症に区別をします。
機能性月経困難症とは
生理痛の原因にはっきりした形の異常がみつからないもののことを言います。
特徴として痛みは生理期間で、わりと短期間で治まることが多いです。
若い年齢の女性に多く、積極的に治療を行わなくても徐々に改善することもあります。
器質性月経困難症とは
生理痛の原因に、子宮内膜症などの原因がある場合にこのように呼ばれます。
子宮内膜症というのは、子宮の中にいるべき細胞が、子宮以外のところに出て行ってしまって、発育・増殖することで、炎症・痛みを引き起こす病気です。
原因があるものなので、年々症状が悪化する傾向にあり、またひどい場合は、生理期間でなくても痛みが続いてしまうこともあります。
生理痛で病院にいったら調べること
月経困難症の患者さんが来た時、さきほど述べたような違いを判断する必要があるので、病院ではまず検査が行われます。
検査は、問診・採血・内診・超音波などです。
全てを一度に行うかどうかは主治医の先生が判断しますが、生理痛がひどい場合は超音波検査などで腹部の中の状態も確認することが望ましいです。
問診
問診とは、医者と患者さん(またはその関係者)が病気に関することを口頭で質問したりすることで情報を得ることです。
先ほどでてきたスコアに準じ、痛みの程度や期間、痛み止めの使用有無などを質問されます。もちろん一般的な問診のための既往歴(今までの病気)や現在のんでいる薬、アレルギーの有無、家族歴、など必要なことを確認されます。
ここで、生理が順調かどうか、出血の量、性交渉の経験の有無、あれば性交痛の有無なども確認されます。
採血
採血とは、注射で身体の血を採取してその中の成分を調べる検査です。採血は必須ではないかもしれませんが、私は個人的には採血は行うようにしています。
採血では薬の代謝に関する臓器(肝臓・腎臓)を調べたり、貧血がないかを確認したり、子宮内膜症の病気のスコアと考えられる数値を調べたりします。生理が不順な人は、ホルモンの値などを調べることもあります。
内診
内診検査とは、女性の性器を触診したり、専用の器械をいれて腟管の内部を観察することです。必要があれば、おりもの・組織の一部を採取して検査を行うこともあります。性交渉の経験があれば必ず行います。
生理痛の原因になるのが、内膜症などの原因のこともありますが、クラミジアなどの性感染症が原因になることもあります。
また子宮がんなど悪性の病気を除外しておくことも大切です。
性交渉の経験がない人は内診をしない医者もいますが、私は患者さんと相談して、患者さんが同意してくれれば、できるだけ行うようにしています。
外陰部、腟などを他人に見せることはとても恥ずかしい非日常のことですが、ここは病院、医療機関!診てもらうことで、きちんと病気の評価ができますし、思ってもいなかった病気がみつかってラッキーということも良くありますよ。
超音波検査
超音波検査(ちょうおんぱけんさ、エコー)は、妊娠していても安全にできる画像検査のひとつです。
子宮・卵巣を調べる場合は、腟からプローベと呼ばれる装置をいれて、検査していきます。子宮の大きさ、内部の色、膜の状態、卵巣の状態、腹部の水の状態、膀胱に残った尿の状態、周囲の腸管の動きなどが確認できます。
観察がよくできるようにオシッコは済ませておくほうがよいです。
では、性交渉の経験がないときは、腟からの検査はできないのか、という問題ですが。これは時と場合によります。
性交渉の経験がない人に、何の相談もなく検査をずんずん勝手にやっちゃうことはありません。体格によっては性交渉の経験がなくても検査の器械が挿入できるので、痛みがすくないこともあるので、そのときは腟から検査を行います。また、腟からだと狭い場合は、肛門から検査の器械をいれて確認することもあります。
大丈夫!元気なウンチより、検査の器械のほうがよっぽど細いですから、安心してください。緊張して力んでしまうと、余計に痛みがでるので、まずはリラックスして検査に臨むようにしましょう。
それでも全然だめという人! 安心して。お腹からみたり、MRIという異なる画像検査を行う方法もあります。
生理痛まとめ
いかがでしたか?
生理痛はほっておいても治らないこともありますので、きちんと病院にいってまずは検査してもらうことが第一歩です。なにも異常がなければ安心ですし、異常があれば早期発見・早期治療で安心ですよね!
治療方法についてはまたの機会にお話しします。
まずは勇気!
女性医療クリニックLUNA心斎橋では、生理痛をはじめとする女性のお悩みに、女医と女性スタッフが真面目に(当たり前か)、診断・治療を行っています。
何か不安なことがあればぜひ一度受診してみてくださいね。
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院長紹介

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院長二宮 典子
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