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2018.08.06お知らせ

2018年5月 第31回老年泌尿器科@福井 その2

2018.08.06お知らせ

LUNAブログをご覧のみなさまおはようございます。

院長の二宮典子です。

福井での老年泌尿器科学会のご報告 第2弾。

 

日本の医療システムは、

コクミン皆保険でとても素晴らしいシステムだと思います。

でもそれは政府が保険医療として認めたものだけに限られます。

保険上認められていない医療技術については

自費診療として医療者と患者さんの同意の下に施術や投薬を受けることが可能です。

 

今回の老年泌尿器科学会では、

『骨盤臓器脱に伴う疼痛に対し、TFSによる日帰り手術とバクロフェンが有効であった1例』

という演題でポスター発表させていただきました。

内容についてざっくりご説明します。

 

―――――――――――――――――――――――――――

80代の女性。

骨盤臓器脱と外陰部痛が出現し、いくつか病院を受診され

臓器脱と難治性疼痛として当院を紹介受診。

前医までは臓器脱と痛みは関連しておらず、

臓器脱の手術は必要ないと言われてた。

当院での所見は

臓器脱、GSM(閉経後性器尿路症候群)、細菌性腟炎、臓器脱に伴う軽度の排尿障害と診断。

患者さんの痛みは一般的な臓器脱の患者の訴えよりも強かった。

臓器脱による器質的な変化の影響が知覚を過敏にしている可能性が考えられた。

日帰りTFS手術で臓器脱修復を行い、

神経痛の改善を目標にバクロフェンを処方した結果、

臓器脱も痛みもどちらも軽快した。

――――――――――――――――――――――――――――

 

という症例を報告させていただきました。

症例の詳細や病気について解説をしていきたいと思います。

 

骨盤臓器脱という病気は

膀胱瘤・子宮脱・直腸脱

に大別され、それが単独もしくは重複して生じます。

原因は、妊娠出産・肥満・加齢・気管支喘息などといった

骨盤底に対する慢性的な負荷(それによって筋肉のゆるみや靭帯の損傷が生じる)と考えられています。

見た目の変化が派手な一方で、

脱出の程度と痛み症状は比例することはなく、

脱出していても、痛みで受診される患者さんは一般的ではありません。

 

ですので、前医で、

痛いと訴えることと臓器脱が関係ないと言われた、

というのも一般的には間違った認識ではないと思います。

 

しかし、

この患者さんに関しては、

脱出を認識してから痛みが強くなっているという病歴があり、

また臓器が下垂することで、膀胱内にたまっている尿が最後まで出せなくなっている所見がありましたので、

何らかの介入が必要であると感じました。

 

腟内にリングを入れる治療を行いましたが

リングを入れていると 腟が内側から押されている感覚があり

痛みは継続していました。

神経痛を緩和するバクロフェンを内服することで

自覚する痛みはやや改善はありましたが、

完全に痛みから逃れることはできませんでした。

しかし、リングでの腟壁挙上開始後から排尿機能は改善しました。

 

そこで、最終的に 手術による介入が痛みを改善すると考え

手術を行うことを説明しました。

しかし、ご本人・ご家族も入院はできれは回避したい

(痴呆の発症や体力の低下が心配、入院中に家族が毎日お見舞いに行けないなどの理由です)

というご希望がありましたので

当院で可能な日帰りのTFS手術による骨盤臓器脱治療を行いました。

 

術後の経過は良好で、

手術翌日から 普段感じていた不快感が消失し

患者さん本人も家族さんも大変喜んでおられました。

 

TFS手術とは臓器脱に対して

入院が不要の日帰り手術治療です。

明日は、少しTFS手術についてご紹介しようと思います。

 

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